コーポレート・ガバナンス

コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方

当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な方針は、「Shareholders as owners(所有者としての株主)」を基本としつつ、「各ステークホルダーの利益の共通化」を実現することにあります。

即ち、顧客に対しては良い製品を適正な価格で提供することによる顧客満足(CS)の向上を追求して、売上・利益の増大を目指します。従業員(含執行役)に対しては当社に適した優秀な人材の確保に十分な報酬及び成果の上げられる優良な環境・制度を提供し、従業員満足(ES)の向上により的確で効率的な企業活動を目指します。

また、これらを実現するために代表執行役はじめ全執行役が率先垂範して企業価値を向上させるとともに各経営システムの確立に努力します。

一方、株主総会により選任された取締役会は基本を決定し、執行の方向性に誤りがないかを監督し、執行役を評価します。このガバナンスを通して株主利益の増大を目指し株主満足(SS)を獲得します。

ここで重要なポイントは「各ステークホルダーの利益の共通化」を実現することにあります。利益の共通化とは、顧客の利益は従業員・株主の利益であり、従業員の利益は顧客・株主の利益であり、株主の利益は顧客・従業員の利益となることです。ガバナンスの基本は,執行役の独走を防止するとともに、一方のステークホルダーの利益が他のステークホルダーの損失となることを防止することにあると当社は考えております。

そのために、迅速かつ的確な意思決定制度と、適切な内部統制システムを構築しています。また、経営の透明性を図るべく、独立性を保てる社外取締役を選任し、必要情報を積極的に開示しています。これらの経営管理体制の実効性確保のため、当社は指名委員会等設置会社制度を採用しています。

経営監視機能に関しては、指名委員会等設置会社の特徴を生かして、取締役会が執行役を監督監査するとともに、監査委員会が監査室と連携して、当社に適した効率的な企業価値向上につながる内部統制システムを構築していきたいと考えております。

取締役の選任に関しては、社内取締役は主に業務への専門知識及び高度な経営判断能力等を重視し、社外取締役は会社経営者、税理士、会計士、弁護士など経営に対する豊富な経験や高度な職業的専門知識を有し、独立性と社会的公平性を保つことができること等を重視しています。

取締役及び執行役への報酬に関しては、当社の企業価値向上のために適した人材の確保に必要な水準を設定し、インセンティブを高める報酬体系を構築し、透明で適正な運用を行いたいと考えております。

会計監査人の監査報酬に関しては、当社の状況及び外部環境の変化を鑑みた上で、適正な報酬にしていきたいと考えております。

企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由

 当社は指名委員会等設置会社であり、取締役7名(うち社外取締役4名)及び執行役7名(兼務取締役2名を含む)により構成しております。業務執行及び経営監視の仕組みとしては、株主総会において選任された取締役で構成する取締役会が、重要な会社の意思決定と執行役の監督を行い、経営を監視し、取締役会により選任された執行役が、担当業務毎に、権限が強化され、迅速で効率的な業務執行を実現しております。
 当社グループの業務執行上の重要案件(取締役会決議事項を除く)については、執行役全員で構成する執行役会にて審議・決定することとしており、本部間調整案件の審議、職務権限上自己決裁に当たる場合の牽制のための協議と承認、その他の全社の重要事項等の報告も当該会議にて行っております。
 旧形態の時と比較し、監督と執行を分離した体制の運用により、上記基本的な方針が達成されていると判断しております。

≪指名委員会等設置会社の機構図≫

取締役会及び委員会の活動状況

a.取締役会

 当社の取締役会は、重要な会社の意思決定及び執行役の監督を通じて経営を監視するとともに、取締役会が執行役に業務執行の決定権限を委任することで経営の監督と業務執行の分離を図り、迅速かつ効率的な業務執行を実現しております。また、経営の監督機能を強化するため、取締役会は過半数が社外取締役になるよう構成されており、社内取締役である齊藤雅彦、髙橋一夫、髙井壽秀、社外取締役である矢野達司、森山裕紀子、渡部眞也、光定洋介の7名で構成されております。取締役会議長は執行役を兼務しない取締役が務めることを原則とし、社外取締役の渡部眞也が務めております。なお、取締役会の実効性を確保するため、取締役会全体としての知識・経験・能力・性別等のバランスに配慮した人員構成としております。
 2023年8月期においては取締役会を14回開催しており、全ての取締役が100%出席しております。
 当社取締役会は毎回活発な議論が行われており、社外取締役が有する各専門的見地から取締役会の意思決定の妥当性・適正性を確保するための助言・提言及び審議・決定を行っております。

b.指名委員会

 株主総会に提出する取締役の選任及び解任に関する議案の決定ならびに取締役会に提出する執行役の選任及び解任、代表執行役・役付執行役の選定及び解職に関する議案を決定しております。指名委員会は、社外取締役の矢野達司及び渡部眞也ならびに社内取締役の髙井壽秀の3名で構成され、委員長は矢野達司が務めております。
 2023年8月期においては指名委員会を14回開催しており、全ての委員が100%出席しております。
 指名委員会では「取締役候補者選考に関する基準」「取締役解任議案付議基準」を作成し、これを毎期見直し、運用しております。また、社外取締役の選任に関しては、会社からの独立性を選考基準として定め、原則就任6期を超える者を次期社外取締役候補者に選任しないこととしております。

c.報酬委員会

 取締役及び執行役の報酬等の内容にかかる決定に関する方針ならびに個人別の報酬等の内容を決定しております。報酬委員会は、社外取締役の森山裕紀子及び光定洋介ならびに社内取締役の髙井壽秀の3名で構成され、委員長は森山裕紀子が務めております。
 2023年8月期においては報酬委員会を13回開催しており、全ての委員が100%出席しております。
 報酬委員会では「取締役及び執行役の個人別の報酬の内容の決定に関する方針」を作成し、これを毎期見直し、運用しております。当該方針及び他社の報酬水準等を踏まえ、取締役及び執行役の基本報酬及び業績連動報酬等の報酬制度の構築ならびに個人別の報酬額につき審議・決定しております。なお、当社の企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを与えるとともに、株主との一層の価値共有を進めることを目的に、2022年10月26日開催の報酬委員会にて、これまで執行役に支給していたパフォーマンスユニット及び役員退職慰労金制度を廃止し、新たに譲渡制限付株式報酬の導入を決定しております。

d.監査委員会

 取締役及び執行役の職務の執行の監査ならびに監査報告の作成、株主総会に提出する会計監査人の選任及び解任ならびに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容を決定しております。監査委員会は、社外取締役の矢野達司、森山裕紀子及び光定洋介の3名で構成され、委員長は矢野達司が務めております。なお、監査委員光定洋介は財務及び会計に関する相当程度の知見を有しております。また、監査委員森山裕紀子は弁護士の資格を有し、法務に関する豊富な経験及び高度な知識を有しております。
 2023年8月期においては監査委員会を14回開催しており、全ての委員が100%出席しております。
 監査委員会は、取締役及び執行役並びに使用人等からその構築及び運用の状況について定期的に報告を受け、必要に応じて説明を求め、意見を表明し、かつ、監査委員会が定めた監査の方針、職務の分担等に従い、会社の監査室その他内部統制所管部門と連携の上、重要な会議等における意思決定の過程及び内容、主要な決裁書類その他業務執行に関する重要な書類等の内容、執行役及び主要な使用人の職務執行の状況、並びに会社の業務及び財産の状況を調査しております。また、子会社については、子会社の取締役等と意思疎通及び情報の交換を図り、必要に応じて子会社から事業の報告を求め、その業務及び財産の状況を調査しております。また、会計監査人と監査の方針・方法について打合せを行うとともに、実施状況、監査結果につき、説明・報告を受け意見交換を実施するとともに、連結計算書類、計算書類及び附属明細書、事業報告につき検証しています。さらに、監査室より随時監査状況について報告を受け、監査情報の共有に努めております。

e.戦略委員会

 取締役会の責務のひとつである企業戦略の大きな方向性の提示するための一助として、中長期的な企業戦略についての検討と取締役への意見具申を行うことを目的に2023年11月より新たに設置いたします。戦略委員会は、社外取締役の渡部眞也及び光定洋介ならびに社内取締役の齊藤雅彦及び髙橋一夫の4名で構成され、委員長は渡部眞也が務めております。